大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)156 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高井貫之、伊藤典男の上告理由第一点について

原審が認定した事実は、被上告人は昭和二八年一〇月二三日上告会社の代理人で

ある同会社F支店次長訴外Dに対し一三〇万円を貸与し、右貸金の支払を担保する

ため同会社E支店長の振出にかゝる金額一四〇万円の約束手形一通(乙第一号証)

の交付を受けたものであり、貸金額と約束手形金額との差額一〇万円は利息および

貸借の仲介者に対する謝礼の趣旨であるというのであり、原判決挙示の証拠によれ

ば右事実認定は十分是認できる。所論は前示差額一〇万円はいわゆる手形割引料で

あると原審の認定に副わない事実を主張し、これを前提として、原審が適法にした

証拠の取捨判断ないし事実認定を非難するものであり、採用できない。

同第二点について

原審は第一審判決の理由説示を引用し、被上告人が上告人に前示一四〇万円の約

束手形を返還したのは、前示Dが昭和二九年一〇月頃Eに対し、F支店長も就任す

るということになつたから被上告人に差し入れた右約束手形を返還されたいと請求

し、その代りにF支店長振出の金額八五万円の約束手形を持参する旨申し、権限が

ないのに甲第一号証の二の約束手形を作成し、同手形と引き換えに、その情を知ら

ないEを通じて被上告人から前示一四〇万円の約束手形の返還を受けたものである

から、右返還の事実から本件貸金が完済されたことを推認できないとしたものであ

る。右判示には所論のごとき理由不備または理由そごの違法は認められない。所論

は採用できない。

同第三点について

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所論前段は原審が適法にした証拠の取捨判断ないし事実認定を非難するものであ

り、所論後段は原審において主張しなかつた事実に基づいて原判決を非難するもの

であり、いずれも採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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